第5章 旨いバランス
そう思っていたのに。
十分キスして、かなりいい具合になったのを見計らったようには身体を離して、下着と一緒にズボンを脱いだ。
は?なんで?
「ちょ、待って!今日は違くない?」
「は?なんで?」
「だって、一昨日シたじゃん!」
「だから?」
「いっつもするのは一週間に一回じゃん?」
「誰が週一って決めたよ?資源回収じゃあるまいし」
いや、例えはわかんないけど言い分はごもっとも。
「今日は甘井、キス頑張ってたから臨時ボーナス」
「え…と、お気持ちだけで…今日は、ちょっと…」
「遠慮するなよ」
話しながらも慣れた手つきで俺のズボンの前を開け、固くなったモノを取り出して腰を落とす。
見知った快感が背中を駆け登ってくる。
また、そんないきなり…
その瞬間。
意識したつもりはなかった。
なのに、昼間見たの過去の資料が走馬灯のように高速で脳裏を巡って、最後にシーツについた赤い染みの写真で止まった。
凍った手の平で心臓を撫でられたみたいにゾワリと身体が震え上がった。
そして。
「っ!?」
「え!?」
さっきまで固く、を貫いていたモノが急に萎んでナカから撤退してきた。
は豆鉄砲食らったみたいな顔して俺を見た。
たぶん俺も同じような顔してる。
「え、甘井、イったの?」
「…ィってない」
「じゃあなんで?」
言えるワケない。
の過去の惨事を思い出して中折れしたなんて。
言えるワケがない。
「…その…き、今日は、ちょっと…疲れてて…」
目を、合わせられない。
しどろもどろでかなり挙動は怪しいと思う。
恐る恐るを見れば、やっぱり予想通り、訝しげな目で俺を見てる。
ヤバい。
今、に術式を使われたら全部しゃべっちゃうと思う。
それはかなりヤバいと思う。
だから。
「ご、ごめん!今日はもう休ませて!」
慌てて立ち上がってモノをしまうとシャワールームに逃げ込んだ。