第5章 旨いバランス
「ん……ダメだ…」
「何が?」
動きを止めて、不機嫌な声で訊いてくる。
首に回した腕は解かれてなくて、顔は俺の首元に埋めてるから表情までは見えない。
「いや…ごめん、ダメなんじゃなくて良すぎて…もう出そう…」
「…甘井って本当、早漏だよな」
「…ごめん」
さっき口でほぼ限界まで登りつめてるってのもぜひ加味してもらいたい。
けど、のこと満足させてやれないのは男としてマジで不甲斐ない。
「謝んなよ。イきたい時にイケばいいだろ」
「いや、でも…つけてないだろ…?」
「アタシ、生理重くてピル飲んでるから。ナカで出しても大丈夫だよ」
「いや、でも…」
耳元で盛大な舌打ちが聞こえた。
「うっせー、な!」
そしてまた大きく打ちつけられた。
不意打ちでやってきた快感に声が漏れる。
またリズムよく動かれるけど、一回止まったのが休憩になったのかさっきまでのイきそうな波は治まっている。
続けているとの息が上がってきた。
上で動くのも結構大変みたいだ。
早く終わらせた方が負担は少ないのかな?
でも、が気持ちよくなってるかわからないし、あんまり早いのもな…
正直答えがわからない。
けど、耳元で乱れるの呼吸を聴いていると変な気分になって、再び昂り始める。
んで、そこから数回のピストンで
「う、あ……イク…」
のナカで何回かけいれんするように呆気なくイッてしまった。
のナカも最後の最後まで絞り出すのをサポートするみたいに締め付けて、もう終わりだとわかると少し緩まった。
は相変わらず俺の首元に顔を埋めて、荒くなった呼吸を整えている。
そういえば行為中、の顔を一回も見ていなかった。
「…?」
今、どんな顔してる?
それが見たくて身体を離すように仰け反るけど、首に回ったの腕がそうさせてくれない。
「ティッシュ、取って」
「あ、あぁ」
ソファの横に置いてあったティッシュを箱ごと渡す。
はティッシュを数枚引き出すと、自分のナカから俺を引き抜いて一緒に出てきた俺の出したものを拭う。
で、こっちも見ずに
「アタシ、先にシャワー浴びてくるわ」
って、さっさとシャワーへ行ってしまった。