第5章 旨いバランス
それからは文字通り片時も離れなかった。
講義は番号で席が決まってるから少し離れるけど同じ教室だし、講義が終われば「おにいちゃん!」ってすぐに俺の所に来る。
飯も一緒。
トイレも一緒。
一日の講義が終われば、俺の部屋に直行。
いや、正確にはその前にの部屋に荷物を取りに寄った。
俺の部屋に居座る気満々…。
そんな様子に取り巻き(?)のお姉さん方は、
「ボク?その人といつの間に仲良くなったの?」
と、始めこそ俺のことショタを誑かす不審者みたいに見てきたけど、
「おにいちゃん、ゲームがすごく上手なんだよ!優しいし、ボク、こんなお兄ちゃんがずっと欲しかったんだー!」
って、美少年のキラッキラの笑顔で言われれば、そりゃもう何にも言えねーわな。
俺もこんなに可愛い妹がいたらめちゃくちゃ甘やかすと思う。
実際は俺より年上だけどな。
で、そんな風に三日過ごした。
そのうちに俺は一緒にいること自体は違和感なくなっていた。
外面の美少年顔は可愛いし、2人きりになった時の不遜な態度も慣れれば…まぁ、大丈夫。
ただ、部屋に戻った後ののご褒美タイムと称してされる長くて深いキスとか、それで反応した俺のモノを口でされちゃうことはまだ慣れない。
いや、こんなこと慣れちゃいけないんだけど…。
そんな三日で周りの奴らも俺らが一緒にいることなんて日常の風景になって気にもしなくなった。
ただ日を増すごとに日下部さんの視線が鋭くなっていってる気がする。
いや、鋭くなってる。
で、その視線にも気づいていて、日下部さんに冷ややかな視線を投げて目が合ったらわざとらしく美少年スマイルで受ける。
そうやって煽るの、マジでやめて。
日下部さんの眉がピクピク動いてるのまでわかる。
で、三日目の今日。
講義終了と共にが俺のところに来て、おもむろに腕を組んでくる。
「ねぇおにいちゃん、早く行こうよ!ボク、早くご褒美が欲しい♪」
周りのヤツらはご褒美が何かも知らずに、ただ美少年のおねだりだと思って微笑ましく見ている。
あー、今日もに流されてる…。
けど。
「おい、お前ら」
俺ら二人、声をかけられた。
この声は…
「なぁに、先生?」
可愛い声でそう返すの目はたまに見せる肉食の目だった。