第4章 塩辛い過去
受講会場は受付順に割り振られるらしいから、次の日は朝から受付の近くでアイツが来るのを待った。
待ってる間に昨日の女達がまた絡んできてマジでムカついた。
それを堪えて適当に相手してたら来た。
見なくてもわかるいい匂い。
「ボク、そろそろ受付行くね」
手を振って離れようとしたのに女達はゾロゾロついてきた。
私はアイツの二人後ろに並んで、アイツを観察する。
受付のスーツのヤツと話してる。
知り合い?っても思ったけど「お疲れ様です」「頑張って」みたいな会話。
特別親しいワケではなさそう。
なんだ?
同じ教室になったのについてきた女達がウザくてしょうがなかった。
女達に取り入りたいのか他のヤツまで集まってくる。
悪いヤツらばかり集まってくる。
アイツは?
こっちは見てる。
私のことも見てる。
でも、近づいては来ない。
他のヤツとも話してない。
たぶん私になんて絶対近づかない。
きっと良いヤツなんだろうな。
なんか場所に慣れてる感じもする。
トイレ行くのも、食堂に行くのも迷ったりしない。
皆群れたがるのに、アイツは一人で歩いてる。
アイツ、もしかして高専関係者?
ふーん、だから良いヤツってワケ?
じゃあさ、もし私から近づいてったら良いヤツのアイツも悪いヤツになるのかな?
ご褒美のついでにそんなことを試してみたくなった。
だから、まとわりつく女達を差し置いて、食堂で一人で座ってるアイツのところに行く。
「おにーさん、隣座ってもいい?」
もう逃さない。