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【呪術廻戦】甘味昏々

第4章 塩辛い過去


講習は受講日前日から最低だった。

全国から受講生を募集していたから、宿がない奴に受講期間中は高専内で部屋を貸してくれるっていうから私もそうした。
部屋自体は二人相部屋が基本なのに私の部屋は一人だった。
それ自体はラッキーだったんだけど、部屋にはお風呂がついていない。
大浴場かシャワー室を使うしかないけど、どちらも共用。
せっかく男のナリをしてるのに意味ないじゃん。
しかも、受講生同士で名前を名乗り合うの禁止ってどういうこと?
術式使うな、はわかるよ?
でも、名前名乗るな、はないだろ。
何が狙いのルールだよ。
完全に私を潰しに来てるだろ。
あーぁ、ま、ルールはバレない範囲で破るためにあるんだよね。

晩飯食べるのに食堂行ったら変な女の集団に絡まれる。
多分ショタコンなんだろうな。
そういう目はこれまでいくらでも見てきてるからわかる。
ここでも私に寄ってくるのは悪いヤツばっか。
ホント、嫌んなる。
表立って敵を作るのもめんどいから理想のショタを演じてやった。
まだ、ショタだと思われてた方が楽だろ。
でも、あんなヤツらと3カ月も同じ空間にいなきゃいけないのはマジでダルい。
あーぁ、ヤダヤダ。
ムカつくからその女達のデザートの杏仁豆腐も全部もらって食べた。
それでも私の置かれた状況に対するご褒美には全然足りない。

そう思ってた時だった。
今まで嗅いだことがない甘くていい匂いがした。
え?なんだろう?って辺りを見渡したけど、そんな食べ物はどこにもなくて、それでも知りたくていい匂いを手繰った。
そしたら、そのいい匂いを出してるのは人間だった。
たぶん私と同じくらいの年の若い男。
一瞬、香水?っても思ったけど、違う。
だってこんなに美味しそうな匂い、香水なワケない。

なんでこんな美味しそうな匂いさせてるのに、皆アイツを見てないの?
皆、気付かないの?
皆、いらないの?

じゃあ、私がもらう。
アイツは私のご褒美にする。
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