第44章 My Cheerleader
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体育館の扉がゆっくりと開いた。
先に姿を見せたのは、ねじれだった。
そして、その隣から――ユカリが姿を現す。
その瞬間。
「…………」
体育館の空気が、ぴたりと止まった。
つい先ほどまで、試合開始を待つ生徒たちの話し声や笑い声で満ちていたはずの空間が、まるで申し合わせたかのように静まり返る。
誰もが、入り口へ視線を向けていた。
そこに立つユカリは、いつもの制服姿ではない。
サポート科が用意したチアガールの衣装に身を包み、手には応援用のポンポン。
普段の落ち着いた雰囲気とはまた違う、華やかで可愛らしい姿だった。
ユカリは少し恥ずかしそうに衣装の裾を気にしながら、ねじれの隣を歩く。
「……ねじれ、本当にこれで大丈夫かな?」
「大丈夫大丈夫!すっごく似合ってるよ!」
「そうかなぁ……」
ユカリが苦笑した、その瞬間。
「…………え?」
誰かが小さく声を漏らした。
それをきっかけに、止まっていた空気が一気に動き出す。
「え、ちょっと待って……」
「ユカリ先輩!?」
「チア!?」
「めちゃくちゃ可愛くない!?」
「やば……!」
ざわざわと波紋のように声が広がっていく。
あっという間に、体育館中が騒然となった。
「うわ、すげぇ……!」
「写真撮りてぇ……!」
「なにあれ!?聞いてないって!」
観客席から次々と上がる声。
コート脇にいた生徒たちまで、思わず振り返っている。
ユカリはその反応に気づき、ますます頬を赤くした。