第44章 My Cheerleader
そして――
「チアガールを、やってほしいんです!!」
「…………え?」
ユカリの目が丸くなる。
隣では、ねじれがぱっと顔を輝かせた。
「チアガール!?」
「はい!!」
「いいじゃん!ユカリ、絶対似合うよ!!」
「いやいや、待って、ねじれ……」
ユカリが困ったように笑う。
「私、そういうのやったことないよ?」
「大丈夫です!」
サポート科の生徒が食い気味に答えた。
「衣装も全部用意してあります!振り付けも簡単です!今日だけでいいんです!」
「でも……」
「お願いします!!」
再び、深々と頭を下げられる。
その必死さに、ユカリは困ったように眉を下げた。
「そんなにお願いされたら、断りにくいなぁ……」
「本当ですか!?」
「う、うん。でも、ちゃんと応援できるか分からないよ?」
「それだけで十分です!!」
サポート科の生徒たちの顔が、一気に明るくなる。
そして。
「ありがとうございます!!」
「衣装、すぐ持ってきます!」
「え、ちょっと――」
止める暇もない。
生徒たちは勢いよく走り去っていった。
「……行っちゃった」
ユカリが呆然とその背中を見送る。
隣では、ねじれが満面の笑みを浮かべていた。
「ユカリのチアガール……!」
「ねじれ?」
「絶対かわいい!!」
「もう……」
ユカリは頬を赤くしながら、小さくため息をついた。
――まさか。
今日、自分が応援する側になるなんて。
しかも、チアガール姿で。
そんなことを考えているユカリは、まだ知らなかった。
このあと体育館が、別の意味で大変な騒ぎになることを。
そして―――
この日、爆豪の機嫌が史上最悪になることを。