第44章 My Cheerleader
「……まあ、あの号外には驚いたけど」
ユカリが苦笑する。
最初は、ほんの一部しか知らなかったはずのこと。
それが、あの号外一枚で、あっという間に雄英中へ広まってしまった。
――ユカリが、爆豪に想いを伝えた。
ただ、それだけのことだった。
なのに今では、一年生から三年生まで、知らない生徒を探すほうが難しい。
「でもさぁ、いいじゃん!」
ねじれが楽しそうに笑う。
「ユカリ、ちゃんと自分の気持ち決められたんだもん!」
「……うん」
ユカリが小さく頷く。
ねじれはそんなユカリの顔を、嬉しそうに覗き込んだ。
「今、幸せ?」
その言葉に、ユカリの頬がほんのり赤くなる。
少しだけ照れたように目を細めると――
「……うん。幸せ」
その答えを聞いたねじれは、ふっと柔らかな笑みを浮かべた。
――本当に、幸せそう。
そんなねじれの視線に気づいたユカリが、首を傾げる。
「どうしたの?」
「ううん、なんでもない!」
ねじれはにっこり笑った。
「ユカリが可愛いなーって!」
「もう、からかわないで」
「からかってないよ〜!」
二人が顔を見合わせて笑い合っていた、そのときだった。
「――あっ!」
突然、ねじれが前方を指差した。
「ユカリ!あそこ!」
「ん?」
ユカリが顔を上げる。
指の先には、数人のサポート科の生徒たちが立っていた。
何やらこちらを見ながら、そわそわしている。
そして、ユカリたちが近づいてくるのを確認すると――
「ユカリ先輩!!」
「わっ」
一斉に駆け寄ってきた。
「え、どうしたの?」
ユカリが驚いて足を止める。
すると、サポート科の女子生徒が勢いよく頭を下げた。
「お願いがあります!!」
「お願い?」
「はい!」
顔を上げた彼女は、必死そのものだった。
「今日の大会で、応援してもらえませんか!?」
「応援?」
ユカリが目を瞬かせる。
「そうです!普通の応援じゃなくて……!」
そこで彼女は一度言葉を切る。