第44章 My Cheerleader
雄英高校では、いつもと少し違った熱気が校内を包んでいた。
理由は、年に一度のスポーツ大会。
今年の競技種目は――バレーボール。
各学科から選抜されたチームが頂点を争う、学科対抗のトーナメント大会だ。
体育館へ向かう廊下には、すでに大勢の生徒が集まっている。
観客席もほとんど埋まり、あちこちから楽しげな声が飛び交っていた。
その中を、三年生のユカリはねじれと並んで歩いていた。
手元のトーナメント表を眺めながら、ユカリが口を開く。
「どの科も選抜メンバー、すごく強そうだよね」
「ほんとだー!サポート科も経営科も、面白そうなメンバーが揃ってるね!」
ねじれも隣からプリントを覗き込み、楽しそうに声を弾ませる。
「うん。みんな気合入ってるし、良い試合になりそう」
ユカリは柔らかく笑った。
その姿に、すれ違う生徒たちがちらちらと視線を向けている。
けれど、それはいつものことだった。
――ただ、最近は以前にも増して視線を集めるようになっている。
「……ねえ、ユカリ」
ねじれが、にやっと笑う。
「なに?」
「今日もいっぱい見られてるねぇ」
「え?」
きょとんとしたユカリが周囲を見回す。
確かに、何人もの生徒がこちらを見ていた。
「もう、ねじれってば。気にしすぎだよ」
ユカリが困ったように笑う。
すると、ねじれが楽しそうに続けた。
「気にしすぎじゃないよ!だって新聞部の号外まで出ちゃったんだよ?」