第42章 勉強会
ユカリの私室へと足を踏み入れた、その瞬間。
上鳴は思わず目を見開いた。
そこは、彼が想像していた以上だった。
(うっわ……めちゃくちゃ綺麗……!)
整理整頓されたデスク。
柔らかな色合いのカーテン。
必要なものだけがすっきりと置かれた、落ち着いた空間。
そして何より。
部屋いっぱいに、ふわりと漂う心地よい香りが、上鳴の鼻腔をくすぐった。
「……すご。いい匂いする」
思わず口から本音が漏れる。
「あ、ごめんね。さっきお茶淹れたからかも」
ユカリが少しだけ申し訳なさそうに笑う。
「え、全然!めっちゃ癒される……」
上鳴はそう答えながら、興味津々に部屋を見回した。
普段、学校でしか見ることのない先輩の私生活。
それが今、目の前にある。
机。
本棚。
小物。
そして――
ふと、視線がベッドへ向いた。
(……いつも、ここで先輩寝てんだよな……)
急に妙な実感が湧いてくる。
(すげぇ……なんか、実感が……!)
想像してしまった自分に気づき、上鳴の頬がじわっと熱くなった。
その瞬間。
「おい、上鳴」
背後から低い声が飛んできた。
「目的」
「――はいっ!!」
上鳴は反射的に背筋を伸ばした。
「今日は勉強しに来ました!!」
「最初からそうしろや」
振り返れば、爆豪はいつの間にか部屋に置かれていたデスクチェアへ腰を下ろしていた。
背もたれに深く身体を預け、腕を組んでいる。
完全に監督役の構えだ。