第40章 告白
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朱に染まり始めた放課後の校舎。
ユカリは、約束していた格闘訓練のために第二訓練場へと足を進めていた。
しかし、その足取りはどこか落ち着かない。
脳裏にこびりついて離れないのは、お昼休みに投げかけられた二人の言葉だった。
『爆豪くんが彼氏!!』
『ユカリが彼女!!』
ミリオとねじれが無邪気に咲かせた笑顔。
あの時は勢いに押されて有耶無耶になってしまったけれど、一人になった今、冷静に考えると疑問が湧き上がってくる。
——よくよく考えたら「付き合おう」なんて言葉は交わしていない。
今朝、自分の「好き」を伝えただけだ。
爆豪くんのあの性格を考えれば、恋人だの彼女だのといった甘ったるい関係性に縛られるのを嫌がりそうな気もする。
(……うーん……彼女、なのかなぁ?)
ぐるぐると答えの出ない思考を巡らせながら訓練場に辿り着いたその時。
扉が大きな音を立てて開いた。
「ユカリ先輩!今日もよろしくお願いします!!」
勢いよく入ってきたのは、朝と変わらぬ元気いっぱいの笑顔を向けた切島だった。
そしてそのすぐ後ろには、今日から格闘訓練に加わる爆豪の姿がある。
「うん、よろしくね」
ユカリが微笑んで応えると、切島は待っていましたと言わんばかりに胸を張った。
「先輩!俺、少しキレが出たんすよ!」
「ちゃんと復習してたんだ。えらいね」
「はいっ!!」
ユカリがいない間も自主練を欠かさなかったのだろう。
褒められて嬉しそうに照れる切島の姿に、ユカリは満足そうに頷く。
そして、その後ろで腕を組んでいる爆豪へと視線を向けた。
バチリ、と目が合う。
今朝、想いが通じ合ったばかりの二人。
ほんの一瞬だけ、言葉にはできないむず痒さと、甘やかな緊張感がふわりと二人の間を駆け抜けた。