第40章 告白
「……ユカリを、幸せにしてやって」
巡り巡って胸に残ったのは、やっぱりそれだけだった。
自分の隣から離れてもいい。
ユカリが一番笑っていられる場所にいられるのなら、それでいい。
言葉を残し、返答を待たずにすっと踵を返そうとした、その時。
「…………テメェもすりゃいいだろ」
背後から、ぽつりと吐き捨てられるような声が聞こえた。
不意を突かれ、環は驚いて足を止め、振り返る。
爆豪は顔を背けたまま、ポケットに両手を突っこんで鼻で小さく鳴らした。
「家族みてーなもんなんだからよ」
……そうか。
爆豪は全部、わかっているんだ。
ユカリにとって自分がどんな存在かということも、自分がどれほど彼女を大切に思っているかということも。
それを奪う気も排除する気もなく、爆豪なりに認めて受け入れた上での、不器用すぎる言葉。
「ふっ……」
遠ざかっていく背中を見送りながら、思わず環の口元から小さく笑みがこぼれた。
相変わらず、どこまでも素直じゃない後輩だ。
けれど——ユカリが本気で好きになったのが爆豪で、よかった。
環は心の中で静かに、けれど強くそう納得しながら、再び歩き出すのだった。