第40章 告白
昼食を食べ終えた後も、ねじれの怒涛の質問攻めは続いていた。
根掘り葉掘り真相を突っ込まれているユカリ。
そんな中、フェンスに肘をかけて校庭を見下ろしている環のもとへ、ミリオがそっと歩み寄る。
「なに見てんの?」
「……景色」
環の視線の先へ一緒に目を向けながら、ミリオがふっと目を細めた。
「……あと何回見れるかなぁ、この景色」
どこか愛おしそうに呟くと、ミリオはくるりと向きを変え、フェンスに背を預けながら青空を見上げた。
「環はさ、平気?」
「………………」
かすかに風が吹き抜け、環の黒髪をわずかに揺らす。
「……質問の意味がわからない」
「ははは!ごめんごめん!ちょっと遠回しすぎた!」
ミリオは少しだけ視線を落とし、楽しそうに笑い合うユカリたちを見つめながら言葉を継いだ。
「ユカリはさ、お前の一番近くにいた子じゃん。幼稚園から高校生までずっと。それってさ、ほんとにすごいことなんだよ。だから俺、お前が平気かどうか、ちょっと心配でさ」
「……別に、いなくなるわけじゃないし……」
ボソボソと呟き、環はふっと視線を落とす。
「どのみち卒業したら、みんな忙しくなるし……」
「え、そうなの!? 俺、卒業してからもこの四人で、最低でも週一で集まってご飯食べるつもりだったよ!?」
「……ミリオらしい……」
突飛な提案に、環の口元から自然と笑みがこぼれた。
ミリオが心配しているのは、幼馴染である環とユカリの関係性だ。
そこに恋愛感情がないことは百も承知している。
けれど、二人にとってお互いは家族も同然の存在。
空気のように『いて当たり前』だったユカリに大きな変化が訪れた今、環がどんな想いでいるのかを気にかけていたのだった。
「俺は……ユカリが楽しそうにしてるなら、それでいいと思う……」
環の口から漏れたのは、決定的すぎない、けれど確かな温もりのある一言だった。
「……そっか!うん、そうだね!」
その答えを聞けただけで十分だったのか、ミリオは心底安心したようにニッと笑う。
そして再び賑やかな声が響くユカリたちの方へと向き直った。