第40章 告白
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校舎の裏手、滅多に人が来ない階段の踊り場。
「ちょっと、爆豪くん……っ」
壁際まで連れていかれると、爆豪はそっとユカリの手首を放し、逃げ場をふさぐようにしてすぐ横の壁に手を突いた。
包囲されるような体勢に、ユカリの呼吸がわずかに乱れる。
少し上下する肩を落ち着かせようとしているユカリを、爆豪はどこか掠れた、けれど熱を帯びた瞳で見つめていた。
「……おい」
低く落ち着いた声が落ちる。
「……ずっと大人しく待ってた」
いつもの荒々しさは潜められ、そこにあるのは一人の男としての真剣な熱量。
「答え……聞かせろよ、先輩」
目の前に迫る彼の熱い視線を受け止めながら、ユカリはゆっくりと息を整える。
昔から周囲に好意を寄せられることには慣れていた。
何度も告白され、そのたびに断ってきた人生。
けれど―――
自分から誰かを好きになり、その気持ちを口にするなんて、生まれて初めてだ。
いくら年下の後輩相手とはいえ、緊張しないわけがない。
(どうしよう……すごく、緊張してる……)
胸の前でそっと手を握りしめ、声の震えを抑えながら、ゆっくりと爆豪の赤い瞳を見つめ返した。
「……爆豪くん」
凛とした、けれどどこか愛おしさを孕んだ声が響く。
「私ね、自分からちゃんと誰かを好きになったこと……一度もないの」
「…………」
「でも……気付いたら、特別になってた」
ユカリの言葉に、爆豪の息がピタリと止まる。
「爆豪くんが特別なの」
一つずつ言葉を紡ぐたび、胸の奥から熱が込み上げてくる。
照れくささと緊張で頬を赤く染めながら、ユカリは勇気を振り絞って爆豪の顔を見上げた。