第40章 告白
和やかな雰囲気に包まれる玄関。
だが、爆豪の耐え忍んでいた理性が、ついに限界を迎える。
この三日間、ずっと耐えていた。
ユカリの『帰ってきたら話がある』という言葉だけを胸に留め、荒れることもなく、ただ彼女の帰りとその答えを静かに信じて待ち続けていたのだ。
それなのに、帰ってきた途端に轟がちょっかいを出し、環がマイペースにズレたことを言い出す始末。
(……これ以上、待てるかよ)
ガシッ、と力強い手がユカリの手首を包み込んだ。
「え……爆豪くん?」
「来い」
「え、でも……」
「帰ったら話があるっつったのは、そっちだろ」
爆豪の手は強引だが、痛みを与えない絶妙な力加減だった。
ユカリは倒れないよう慌てて足早に歩き出し、引かれながらもハッと後ろを振り返る。
「……環、ホームルームまでにはちゃんと戻る、からっ……!」
連れ去られながらも、しっかりとそう伝えるユカリ。
その背中が角を曲がって消えていくのを見送りながら、残された二人はぽつりと会話を交わす。
「……ユカリ先輩ってああいうとこ、ちゃんとしてますよね」
「……ユカリだから」
どこかすっきりとした顔の轟と、呆れつつも小さく笑う環。
二人は軽く視線を交わすと、それぞれの教室へと足を進めた。