第40章 告白
その少し後ろでは、環と轟が並んで歩いていた。
前を歩くユカリの後ろ姿を見つめながら、環は隣の轟へそっと視線を向ける。
人の感情の変化に敏感な環には、轟の横顔がどこか吹っ切れたように見えた。
それでも、その奥底に痛みが残っていることも分かっていた。
「……轟、大丈夫?」
不意に声を掛けられた轟は一瞬だけ目を丸くする。
だが、隠すこともなくフッと自嘲気味に口元を緩めた。
「……大丈夫に見えますか?」
「……わからないから、聞いてる」
環の不器用な問いかけに、轟はどこか肩の力が抜けたように微笑む。
「大丈夫じゃ……ありません」
素直に漏らした本音。
けれど、前を行くユカリの背中を愛おしそうに見つめる彼の瞳に陰りはなかった。
「でも……きっといつか、大丈夫になります」
その声に、もう迷いはなかった。
届かなかった想いは消えない。
それでも彼は、それを抱えたまま前へ進もうとしている。
そんな後輩の成長を感じ取った環は、何も言わず静かに微笑んだ。