第39章 Team Up Mission
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ミッションが終了したその夜。
ユカリは静かな足取りで、薄暗い資料保管室の扉を開けた。
棚の前でポツンと佇むエコー。
抱えられた一冊のノート。
窓の外の冷たい雨を見つめる背中。
「……エコーさん」
「あれ」
振り返るエコー。
その顔には、あの完璧で、優しく、哀しい笑顔。
「どうかしたかい?」
ユカリはまっすぐ彼のもとへ近づいた。
「……今日、あの人から聞こえた言葉」
エコーの笑顔が、一瞬だけピタリと凍りつく。
「……遺族の方には『お母さんへの謝罪だった』と伝えるんですよね」
「うん。……それが、彼の本当の遺言だからね」
「でも」
ユカリは深く、静かに首を振った。
「本当は……それだけじゃなかったんですよね」
静寂が部屋を支配する。
エコーの笑顔が、一瞬だけピタリと凍りついた。
「さっきエコーさん、ノートに何かを書きかけたあと……すごく痛そうな顔をして、すぐに消していました」
ユカリの瞳は、静かにエコーを見つめている。
「トンネルで彼の手に触れた時も、一瞬すごく驚いた顔をして……そのあと、愛おしそうに手を包み込んでいました。……遺言は、お母さんへの言葉だけじゃなかったはずです。あの人は最後……エコーさんに何かを言ったんじゃないですか?」
エコーの瞳が、限界を迎えたように激しく揺れた。
「……君は……何を言っているんだい」
「ずっと……見ていました」
ユカリの言葉は静かだった。
叫ぶでもなく、ただ事実を優しく手渡すように。
「笑っているけれど、手が震えていること」
「『慣れた』なんて言っていたけれど……本当は毎回、胸が張り裂けそうなくらい苦しかったこと」
エコーは必死に笑顔を作ろうと口元を歪めた。
「そんな……ことないよ。僕はヒーローだから……」