第39章 Team Up Mission
静寂。
トンネルの外から響く雨音だけが、二人を包み込んでいた。
エコーは時間をかけてゆっくりと目を開けた。
何も言わず、静かに立ち上がる。
その顔には、いつもの穏やかで完璧な「プロヒーローの笑顔」が貼り付けられていた。
「……行こう」
誰もその一瞬の表情の変化に気づかなかった。
――ユカリを除いては。
ユカリは、横たわるヴィランの遺体を静かに見つめていた。
かつてヴィラン連合に囚われ、彼らの歪んだ悲しみや過酷な過去の断片に触れてしまった経験が、ユカリの胸を撫でる。
ヴィラン。
世間から見れば許されない悪人。
それでも。
この人にも、守りたかった生活や、愛されたかった過去があったのかもしれない。
(この人も……最後に何か、誰かに伝えたかったのかな……)
敵味方の境界線に思いを巡らせながらも、ユカリはまだ答えを出せずにいた。
ただ一つ確かなのは、悪人の最期にまで向き合い、傷つきながらも笑ってみせるエコーの過酷な横顔だけだった。