第39章 Team Up Mission
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チームアップミッション最終日。
朝から冷たい雨が降っていた。
灰色の低い雲が街を覆い、降り続く雨粒がアスファルトを重く濡らしていく。
事務所では、いつもと変わらずエコーが穏やかな笑みを浮かべていた。
「最終日だね。今日もよろしく頼むよ」
「はい」
ユカリは静かに頷き、返事をした。
けれど、その笑顔の奥で胸のざわつきは昨日にも増して大きくなっていた。
(……今日で、任務が終わる)
エコーは自分の内面について何一つ語らなかった。
過酷な記憶も、心の摩耗も、すべてを「ヒーローの仕事」という名の仮面の下に押し隠したままだ。
けれど、ユカリは見抜いていた。
彼の張り詰めている心の糸が、いまや限界まで引き千切れそうになっていることを。
***
正午過ぎ。
けたたましいアラームとともに、緊迫した無線の声が飛び込む。
『高速道路のトンネル内で事故発生!車両火災および複数台の衝突!』
『現在レスキュー隊が難航中! 要請します!』
「――出動する!」
エコーの低く短い声で、全員が弾かれたように動き出した。
現場のトンネル内は、視界を奪う凄惨な黒煙と激しい熱気に満ちていた。
充満する一酸化炭素。
爆発音。
逃げ惑う人々の叫び声。
「轟くん! 左側の消火と冷却を!」
「了解!」
「環くんは負傷者の搬送補助へ!」
「……はい!」
「ユカリさんは僕と来てくれ!」
「はい!」
二人は猛煙の奥へと駆け込んでいく。
ひしゃげた車両の陰、壁際に追いやられた一台の乗用車の中に、一人の男が取り残されていた。
救助隊が何とか男を引き出そうと取り囲む。
だが、その顔を目にした瞬間。
レスキュー隊員が息を呑んだ。
「……待て。こいつ、指名手配中のヴィランだぞ」