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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第39章 Team Up Mission




***


その夜。

四人が事務所へと戻ってきた頃には、時計の短針はすでに十の数字を指していた。

​静まり返ったフロア。

スタッフたちが膨大な報告書に向き合い、カタカタとキーボードを叩く乾いた音だけが響いている。

​「今日はもう上がって休みなさい」

​エコーが三人へ労いの声をかけた。

「二日目で疲れも溜まってるだろう?明日に備えてしっかり眠るといい」

​「ありがとうございます」

ユカリ​が深々と頭を下げ、環と轟も静かに一礼して仮眠室へと向かった。

​部屋の灯りを消し、各自のベッドへと横になる。

激動の一日を過ごした環は、数分もしないうちに規則正しい寝息を立て始めた。

轟もまた、疲れを癒すように静かに瞼を閉じている。

​けれど――


​(……眠れない)


ユカリ​は毛布を引き上げ、暗い天井を見つめたまま小さく息を吐き出した。

​今日、現場で聞いた男の子への「大好きだったよ」

昨日聞いた、奥さんへの「花火」

耳から、脳裏から、どうしても離れてくれない。

​そして、それ以上に――


​(あの人……)


​エコーの笑顔が頭から離れなかった。

現場で一瞬だけ影を落とした表情。

コーヒーカップを持つ手の微かな震え。

「慣れた」と口にした時の、壊れてしまいそうな苦しい笑顔。

​胸の奥が、ざわついて仕方がなかった。

​ユカリは静かにベッドを抜け出す。

「……少しだけ、風に当たろう」



​深夜の事務所は、昼間の賑わいが嘘のように別世界だった。

薄暗い廊下の足元灯だけがぼんやりと廊下を照らしている。

すれ違うスタッフの姿もない。

​ふと廊下の突き当たりに視線をやると、一室だけ隙間から暖色の光が漏れていた。

​(こんな時間に、まだ仕事……?)

​足音を殺して近づく。

扉の脇には『資料保管室』と書かれたプレートがあった。

半開きになった扉からそっと中を覗き込む。

​そこにいたのは、エコーだった。

​パソコンに向かっているわけではない。

彼は棚の前に一人で座り、机の上に何冊もの古い大学ノートを広げていた。

一冊、また一冊。

愛おしむように丁寧にページをめくっている。


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