第39章 Team Up Mission
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夕飯を終え事務所へと戻っても、まだ業務は残っていた。
スタッフたちは各現場の報告書をまとめ上げ、関係機関への連絡作業に追われている。
エコーもまた自席のデスクに向かい、静かにPCの画面と向き合い始めた。
「僕ももう少しだけ仕事を片付けるから、三人は休憩スペースで休んでいて」
「何か私たちが手伝えることはありませんか?」
ユカリが尋ねると、エコーは振り返り、心底申し訳なさそうに微笑んだ。
「ありがとう。でも、今日はもう十分すぎるくらい頑張ってくれたからね」
その言葉に甘え、三人はカフェスペースへと移動した。
コーヒーを淹れてくれた女性事務員が、湯気の向こうで誇らしげに目を細める。
「エコー先生って、本当にすごい人なんですよ」
「……毎日、今日のようなお仕事を?」
轟が尋ねる。
「ええ」
事務員は深く頷いた。
「どんなに過酷な現場であっても、遺族の方の前では絶対に弱音を吐かず、取り乱すこともありません」
「誰よりも深く、温かく寄り添ってくださるから……『先生のおかげで、前を向く勇気が持てました』って涙を流されるご遺族も多くて」
「私たちスタッフも、先生のその姿勢に何度も救われてきたんです」
ユカリは、自然とエコーへ視線を向けた。
黙々とキーボードを叩き、報告書を作成している。
疲れた様子など、一切見せない。
(やっぱり……すごい人だな……)
そう思った、その瞬間だった。
カタッ。
小さな音がした。
エコーの手元。
コーヒーカップを持ち上げた右手が、一瞬だけ小さく震えた。
ほんのわずか、錯覚かと思うほどの揺れ。
エコーは何事もなかったかのようにその揺れを押し殺し、カップを口元へと運んでいく。
誰も気づいていない。
環は資料を真剣に読んでいる。
轟もニュース映像に集中している。
スタッフもそれぞれの業務に没頭していた。
(……疲れてるのかな……)
ユカリは不安を拭えず、じっとエコーの横顔を見つめ続けた。