第38章 日曜日
爆豪は買い物袋をどさりと置くと、中からひき肉や玉ねぎ、パン粉を次々と取り出していく。
「だって入学当初、あんな問題児だったのにさ!?」
「誰が問題児だ。ぶっ飛ばすぞ」
「歩くたびにガン飛ばしまくる不良だったのにさ!?」
「成績優秀だわクソが。今度通知表見ろや」
(……ガン飛ばしまくるのは今もあんまり変わってないんじゃ……)
心の中でそっとツッコミを入れる環だったが、命が惜しいので口には出さない。
「それが今や先輩にハンバーグを作ってくれるなんて……ほんと良い子に育ったよねぇ!!」
「テメェは俺の親かよ」
蛇口をひねり、手を洗いながら吐き捨てる爆豪。
口では毒を吐きつつも、すでに包丁を握り始めている手際の良さに、ユカリは思わずくすりと笑ってエプロンを身につけた。
「だからさ!」
ミリオはカウンター越しに乗り出し、爆豪の顔を覗き込む。
「これからはもっと仲良くしよう!!」
爆豪は心底ウザそうに眉間へシワを寄せた。
「誰がするか。うぜぇ」
「何でぇ!?ユカリとは仲良くしてるじゃん!」
「一緒にすんな」
「ユカリとは仲良くできるのに、俺と仲良くできない理由は!?」
「単純にうるせェ」
「はっ、なるほど!?」
ショックを受けるかと思いきや。
ミリオはポンと手を打って妙に納得した顔をした。
「じゃあ大人しくしてる!」
ピシッと口を真一文字に結び、直立不動になる。
一秒。
二秒。
三秒後。
「あ、爆豪くん、ハンバーグってケチャップ派?ソース派?俺はどっちもいけるんだよね!でもせっかくだし今日は爆豪くんのオリジナルソースも食べてみたいとこだよねぇ!」
「テメェは黙ると死ぬとかあんのか」
三秒しか持たなかった先輩。
そんなミリオを見上げ、爆豪は本気で「そういう体質なのか?」と呆れ果てた顔を向けた。