第38章 日曜日
そんな二人の間に流れた甘い空気を、湊くんは見逃さなかった。
「おにいちゃん、おねえちゃんを見る目、すっごくやさしいね!」
「っ!?」
ユカリはハッとして、湊くんと同じ目線になるよう慌ててその場にしゃがみ込んだ。
「湊くんには、そう見える?」
「うん!すっごく!」
湊くんは力強くうなずくと、少し首を傾げてユカリの顔を覗き込んだ。
「おねえちゃんは?」
「え?」
「おにいちゃんのこと、とくべつ?」
突然投げかけられた核心に、ユカリは思わず言葉を詰まらせる。
無垢な問いかけに、爆豪の身体が僅かに反応する。
自分に向けられた問いではないと分かっていても、どうしてもユカリの答えから目を逸らせない。
爆豪が息を飲む中、ユカリはふっと緊張を解くように微笑んだ。
「……うん」
視線を爆豪へと一瞬だけ向け、それからもう一度湊くんに優しく語りかける。
「特別だよ」
その言葉に、爆豪の心臓が掴まれたようになる。
自分の胸の奥でドクンと大きな音が跳ねたのを誤魔化すように、爆豪は慌てて顔を背けたのだった。