第38章 日曜日
「あ!いた!!」
その時、角の向こうから拳藤が現れた。
だが、目の前の惨状を目撃した瞬間「あちゃー……」と額を押さえた。
「すみませんユカリ先輩……うちのバカが、本当にすみません……」
「ううん全然。物間くん今日も元気だね」
拳藤が肩を落とす中、ユカリは苦笑いしている。
「ユカリ先輩!騙されちゃダメだ!!A組の連中なんて表向きはいい顔してても裏じゃ何を考えてるかわからな――」
ガツンッ!!!
「痛ぁぁあッ!?」
「余計なこと言わないの!!すみませんユカリ先輩、引き取りますので!」
拳藤の鮮やかな手刀が物間の頭頂部にクリーンヒットする。
彼女は物間の首根っこをガシッと掴むと、問答無用でズルズルと引きずり始めた。
「ほら物間、行くよ!これ以上騒ぐと店員さんに怒られるでしょ!」
「ちょっと待ちなよ拳藤!僕はまだ先輩にA組の危険性を教える必要が――痛い痛いッ!!」
「ユカリ先輩!じゃあまた!お邪魔しました!」
「うん、二人ともまた学校でね」
ひらひらと手を振るユカリ。
拳藤の強引な高速引きずりによって、物間はあっけなく退場させられた。
「……チッ、何なんだあいつは。マジで鬱陶しい」
爆豪は心底ウザそうに髪をかきむしり、盛大に舌を打つ。
そんな彼の様子に、ユカリは思わずくすくすと笑い声を漏らした。
「でも爆豪くん、楽しそうだったよ?」
「ハァ!?どこがだクソが!」
文句を言いながらも、爆豪はユカリの手から自然にカゴを受け取り、二人で並んでレジへと向かったのだった。