第38章 日曜日
「……ッ、痛った……!前見て歩きなよ――」
痛そうに鼻を押さえて顔を上げたのは、B組の物間寧人だった。
目の前の爆豪を認識した瞬間、その表情がいつもの絶好調な煽り顔へと早変わりする。
「っあっれええええ!?ごめんねぇ!まさかこんなところにA組様がいるなんて思わなくってぇ!!」
「あぁ!?テメェ前見ろやクソモブ!!」
「それは君もじゃないのかなぁあ!?君こそ前を見て歩いたらどうだい!?」
「いちいち声でけーんだよ殺すぞ!!」
「耳ふさげばいいじゃない!!」
売り場の真ん中で、容赦なくギャーギャーと怒鳴り合う二人。
と、そこで爆豪の隣に視線を移した物間は、ユカリの姿を捉えるなりパッと表情を「優雅な後輩」へ切り替えた。
「……あれ?ユカリ先輩?え、なんで先輩がこんな狂犬と買い物を?」
「誰が狂犬じゃボケ!!」
「まさか脅されて荷物持ちを……!?お任せを!今すぐB組が保護します!!」
「保護されるのはテメェの頭だろうが!!」
騒がしい二人を見比べながら、ユカリは笑う。
「あはは、違うよ物間くん。今日は爆豪くんがご飯作ってくれるって言うから、一緒に買い出しに来てたの」
「ええ!?あの爆豪くんが料理……!? あの、口を開けば『殺す』か『死ね』しか言わない彼が!?包丁という名の凶器を持つのかい!?」
「テメェ本気で爆破されたいようだなァァ……」
爆豪の掌からバチバチと火花が散る。