第1章 再会
独学でここまで書き上げたと理解した男性は目を輝かせながら図面をさらに凝視してくる。
「あそこも、そこも…よく考えられてる。機能性もさることながらデザインも素晴らしいね。実にエレガ……シャリー?」
『え…?』
興奮したように喋っていたが、突然一点を見て黙ってしまった男性にシャリルは首を傾げながら表情を伺っていると、男性が小さく呟く。
その呟いた名前にシャリルは思わず声が漏れた。
「シャリーなのか?」
彼が見ていた視線の先にはサインがあった。
ここ数年愛称で呼ぶのは家族ぐらいになっていたシャリルにとって、その名を呼ばれるのは想定外であり、完全に思考停止していたが、彼の名前を聞いた瞬間、目を丸く見開く。
「シャリル・リリエンフェルトだろう?覚えていないか?ゼノだよ。昔近所に住んでいたゼノ・ヒューストン・ウィングフィールドだ。」
『え…うそ…ゼノなの?なんで…。』
シャリルが7歳の頃、引っ越してしまった幼馴染。
幼い頃から差別に苦しんでいたシャリルとよく遊んでくれていた近所の2つ年上のお兄さんだった。