
第1章 第壱話 約束の意義

そして後の綾波レイなどを生み出すための研究をし、NERV設立にも大いに関わることとなる青年五十嵐カイはマリと仲良くしており、イスカリオテのマリアとして人類補完計画やゼーレについてカイによって知ることになる。
数日後。京都大学の正門から黒い防護服の男を連れ入ってきたのは五十嵐カイ。いつも通り右半分をオールバックにし、もう片方を目元まで前髪を垂れ下げた髪型。後ろの男たちはアタッシュケースを数個持っており、カイは紙袋を所持していた。
「……いつまでついてくるんだ?もういいぞ。そいつをよこせ」
男はカイにアタッシュケースを渡し、去っていった。
「……人騒がしな連中だな全く……大学の敷地内にスナイパーなんかいないっての」
そう言いつつカイは研究室の扉を開けた。
「あ、帰ってきた!長旅お疲れ様!時差は大丈夫そう?」
「おかえりカイ君。本当にお疲れ様。お茶淹れるわね」
「ああ……お言葉に甘えます……ほら。持って帰ってきましたよ。例のお土産と美味しいお土産」
カイはマリに紙袋を手渡した。そしてゲンドウの前に行った。
「……六分儀さん。無事に持って帰ってきました」
「……でかした。ご苦労だったな五十嵐」
「本当にその中に入っているのか?あれが…….」
カイはアタッシュケースを机に置き、開けてみせた。
「死海文書。断片だらけですが繋げたら読めます」
ゲンドウはニヤリと笑った。アタッシュケースの中にはちぎられ断片になった古い紙。死海文書であった。
「うへー……本物だ……」
「ゼーレによると裏死海文書がなんとかって言ってましたけど」
カイはアタッシュケースを閉めて、ソファに深く腰掛けた。
「はいお茶。疲れたでしょ。今日はゆっくり休んで。マリ、そっちのお土産はなんだったの?」
「えっと?デーツじゃん!あとはあとは?」
マリは紙袋を漁って騒いでいる。
「冬月教授ワインお好きでしたよね?」
「おお。私の分もあるのか。お返ししてもしきれないな」
すると研究室の扉が開いた。
「冬月、ここのレポート……おお、五十嵐君。帰ってきたのかい」
扉を開いたのは葛城ヒデアキであった。冬月と同じ教授で今年12歳の娘を持つ。
「葛城。五十嵐は今疲れてるぞ。あまり疲れさせてやるな」
「わかってるよ。五十嵐君海外へ行っていたんだろう?どこへ行っていたんだい?」
「えっと、イスラエルとかパレスチナとかヨルダンとか諸々」
