第1章 第壱話 約束の意義
EPISODE:1 At the threshold between beginning and end
⏱️ 1997/5/27 from mari331@ezweb.ne.jp Sub 今どこ?
やっほーカイ君。ところで今どこ?
海外にいるのはわかってるんだけどどこにいるかわかんないと心配だよ。
ユイさんも心配してたよ。ゲンドウ君は……別にって感じ。
戻ってくる日とかわかったらまた連絡して。
冬月教授も早く戻ってこいって言ってる。またメールしてね。
京都大学 人工進化研究所
「よし。これでオッケー……本当にどこ行っちゃったんだろ……寂しいぞ……」
「そんなこと言っとらんで君は早くレポート仕上げたまえ。五十嵐がいなくなってから手ついてないぞ」
「まあまあ冬月教授。カイ君がいないと少し物足りないですし。マリ、返信はまだなの?」
「ユイさん手伝って……あ、来た!」
⏱️ 1997/5/27 from Kai715@ezweb.ne.jp Sub Re:今どこ?
今はイスラエルですね。めっちゃオシャレな街で普通に観光できたかった。
他の国とかも行き来して疲れました。しんどい。
帰りですけど、今週中には帰れそうですね。
あ、あと六分儀さんと冬月教授に面白いお土産あると伝えておいてください。
美味しいお土産も期待しておいてください。できるだけすぐ帰ります。
「今週⁉︎」
「あら、今週帰れるの?意外と早いわね」
「ゲンドウ君、面白いお土産があるんだって!」
「……そうか」
「イスラエルで面白いお土産か。怪しいにおいがプンプンするな。相変わらずおかしな男だ」
「美味しいお土産か……わかってるなあ。カイ君は」
京大の俊英として人工進化研究所に所属していた碇ユイは、のちの「エヴァンゲリオン初号機」へ自身が取り込まれる(接触実験)こととなる、根幹的な理論や生命起源に関する研究を行っていた。六分儀ゲンドウはユイの研究に惹かれ、京大で形而上生物学の教鞭を執っていた冬月コウゾウはここで学生だったユイと出会い、また酒のトラブルを起こしたゲンドウの身元引受人となったことで、運命的な関わりを持つことになる。そして真希波・マリ・イラストリアスは手助けをしつつ飛び級で京都大学に入った生徒であった。