第2章 走る悪霊
悪霊はドクドクと注ぎ込む間も、何度も奥へ奥へと押し付けるように腰を強く押し付け最奥に一滴残らず白濁を搾り出していく。
やがて脈動が収まると結合部からグチュリ、と音を立てて肉厚な肉棒がゆっくりと引き抜かれた。
「あ……、はぁ、はぁ……」
支えを失ったの脚が、力なく左右に割り開かれる。
その秘部の奥から受け止めきれなかった大量の精液が、ドロリと音を立てて溢れ出し、冷たい床へと流れ落ちた。
悪霊はその淫らな光景を口元だけで満足そうに笑いながら見つめると、やがて煙のようにその姿を消した。
静寂が戻った廊下で衣服を肌蹴られ、足を開いたまま秘部から精液を流し続ける。
心身ともに限界を迎えた彼女は肌に残る悍ましい熱と、ナカから溢れる不快な感触を覚えたまま、深い闇の底へと意識を飛ばしたーー。
「――っ!」
弾かれたように息を吐き出し、はガタガタと震える自分の両手を見つめた。
辺りを見回すとそこは先ほどまで背中を打ち付けられていた冷たい床の上ではなく、再び見慣れた自室――801号室のドアの前に立っていた。
「どうして……またここなの……?」
脳裏を支配するのは底なしの恐怖。
先ほど薄暗い廊下の向こうから襲いかかってきた、あの黒い悪霊。
床に押し倒され、衣服を乱され何度も何度も激しく最奥を突き上げられた、あの悍ましくも生々しい衝撃。
そして、体内にドクドクと熱い精液を流し込まれ、中出しされたあの感覚。
すべてが今さっき起きたこととして記憶にも、この身体にも感触がはっきりと刻み込まれている。
それなのに、自分の身体を見下ろしたは絶句した。
引き裂かれたはずのストッキングも、ボタンを外されたスーツも、汚れ一つなく綺麗に元通りになっている。
そればかりか、脚の間にべっとりと張り付いていたはずの不快な白濁も、何事もなかったかのように消え去っていた。