• テキストサイズ

微睡みの夢世界【進撃の巨人 ハンジ・ゾエ】

第1章 『知られてはいけない、この気持ち』


違う。

自分は、
そんなふうに思ったことなんて一度もない。

「私は……っ」

気づけば、
𓏸𓏸は震える声で言っていた。

「団長のこと、すごいと思ってて……」

喉が詰まる。

でも、
止まれなかった。

「指示も、考え方も、全部……ずっと、見てて……」

ハンジの目が、
静かに細められる。

「……うん」

「だから、変とかじゃなくて……私は、その……」

好きなんです。

その言葉だけが、
どうしても出てこない。

言った瞬間、
全部変わってしまいそうで怖かった。

沈黙の中、
ハンジの親指が頬を撫でる。

優しい手つき。

まるで、
壊れ物に触れるみたいに。

「𓏸𓏸」

低く名前を呼ばれ、
喉が震える。

「それ以上言ったら、たぶん私は団長でいられなくなる」

息が止まった。

意味を理解した瞬間、
全身が熱を持つ。

ハンジの額が、
こつりと𓏸𓏸の額へ触れる。

「……困るよ」

掠れた声。

「そんな目で見られたまま、平気なわけないだろ?」

その瞬間。

唇が、触れた。

ほんの一瞬。

確かめるみたいな、
柔らかい口づけ。

𓏸𓏸の身体が震える。

離れたあとも、
ハンジの呼吸は近いままだった。

「……嫌なら、ちゃんと言って」

そう言う声が、
思ったより余裕なく揺れている。

その事実だけで、
胸がいっぱいになる。

憧れだった。

遠くから見上げるだけの人だった。

なのに今、
その人がこんな近くで、
苦しそうに自分を見ている。

𓏸𓏸は震える指で、
そっとハンジの服を掴んだ。

その小さな仕草に、
ハンジの目が揺れる。

次の口づけは、
さっきよりも少し深かった。

/ 40ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp