第5章 『その温度を、まだ知らないふりで』
そんなこと考えてるなんて知られたら、きっと嫌われてしまう。
長らく同期をしてきたのに、これまでの信頼とか居心地とか、全てを失ってしまう。
だから、心の内にしまわなくては。
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ある日、作業部屋でハンジと報告書を書いていた。
下を向く時間が長くて首が痛い。
と思っていたら、
「ああー首も肩も痛くなるねこれ」
とハンジが首を手で抑えながら言う。
「同じく、今思ってたとこ」
とふたりで笑い合う。
「ひと段落したら、少し休憩しよう」
「そうだね。首も肩も限界」
そんな話をしながら伸びをする。
「ね、𓏸𓏸。私もするからさ、肩揉んでくれない?」
「…いいよ」
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少ししてひと段落したあと、𓏸𓏸はハンジの後ろへ回る。
「じゃあお願いするよ」
「うん」
ハンジの肩に手を添え、親指で内側に効くように力加減をしながらマッサージしていく。1箇所だけでなく、肩周辺に。
「気持ちいいよ。力もちょうどいい」
「それはよかった。」
その時、うなじが目に入って、一瞬手が止まる。
首にかかる髪の毛を避ける。
指で首筋に触れる。
いきなり触れたから、ハンジが驚く。
「どうかした?」
「首もやろうと思って」
と誤魔化しつつ指で首筋を押していく。
「首、思ったより気持ちいいね。案外首も凝るんだな」
そう言いながら、リラックスしたように目を瞑り身を任せるハンジ。
しばらくやった後、ハンジが交代してくれる。
「さて、次は私の番だ」
そう言われ、今度は私が座り、ハンジに肩を預ける。
ハンジが私の髪の毛を避ける際、首に当たったハンジの手にピクッ、とする。
_____あ、これだめかもしれない。
ふたりきりで、
静かな場所で、
…なにより、身体に触れられるなんて。
こんな状況、どうしても意識してしまう。
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