第1章 『知られてはいけない、この気持ち』
𓏸𓏸は息を乱したまま、
小さく頷いた。
それだけで、
ハンジの喉が上下する。
まるで、
必死に理性を繋ぎ止めているみたいだった。
「……そんな顔で頷かないで」
掠れた声。
でも、
触れる手はどこまでも優しい。
ハンジの指先が、
𓏸𓏸の頬から首筋へ滑る。
そのたび、
身体の奥がじわりと熱を持った。
「っ……ぁ……」
小さな声が漏れると、
ハンジが苦しそうに目を伏せる。
「……本当に弱る」
そう呟いて、
再び首筋へ口づけを落とした。
柔らかく触れ、
甘く吸われる。
そのたびに、
足から力が抜けていく。
「ハンジ、さん……」
縋るように服を掴むと、
ハンジは𓏸𓏸を抱き寄せたまま、
額を肩へ押しつけた。
「……こんなの、駄目だと思ってたんだけどな」
低く零れる独り言。
「君、私を見る目があまりにも真っ直ぐで……」
その声が、
少し震えている。
𓏸𓏸は胸が苦しくなった。
ずっと遠くから見ていた人が、
こんなふうに揺れることがあるなんて知らなかった。