第1章 『知られてはいけない、この気持ち』
「……知ってる」
囁くような声。
「気づいた時には、私の方が駄目になってた」
どくん、と胸が跳ねる。
「え……」
「廊下で目が合うたび、逃げるくせに、また私を見てるだろ」
くしゃ、と困ったように笑う。
「可愛くて仕方なかった」
その言葉だけで、
頭が真っ白になる。
次の瞬間、
再び唇が塞がれた。
今度は深く。
舌が絡み、
甘い水音が静かな倉庫に響く。
「……ん、ぁ……っ」
力が抜け、
𓏸𓏸はハンジの服を強く掴んだ。
するとハンジが、
抱き込むように背中へ腕を回す。
「力抜いて」
耳元で囁かれる。
「落ちそう」
その声が優しすぎて、
余計に涙が出そうになる。
憧れだった人。
遠くから見ているだけだった人。
その人が今、
こんなふうに自分へ触れて、
欲しそうな目をしている。
「…… 𓏸𓏸」
熱を孕んだ声。
「もう少し触ってもいい?」