【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第23章 結婚式×乙骨
は迷うことなく身体を預ける。
ぎゅっと抱きつくと、乙骨が優しく受け止めてくれる。
安心する。
会いたかった。
その気持ちが今さらのように奥から込み上げてくる。
乙骨はそのまま身体を後ろへ倒し、ソファへゆっくりと横になる。
耳元で規則正しい心音が聞こえる。
自然と頬が緩んだ。
すると。
乙骨の腕がそっと背中を撫でる。
「……さん。」
小さな声。
「ん?」
顔を上げる。
乙骨は少し眉を寄せていた。
「なんか……少し痩せた?」
真面目な顔だった。
「向こうでちゃんとご飯食べてたの?」
どこか不満そうな声音。
は苦笑した。
「あー……」
視線が少し遠くなる。
灼けるような陽射し。
乾いた風。
一か月半前のオマーン。
思い出しただけで疲労感が蘇る。
「あはは……」
疲れたような笑みが漏れた。
「うん。食べてはいたんだけど。」
「うん。」
「向こう、すごく暑くて……。」
乙骨は少しだけ唇を尖らせた。
“ちゃんと食べないとだめだよ!”そう言う代わりに腕へ力を込める。
ぎゅう、と。
「じゃあ。」
優しい声が降ってくる。
「こっちでいっぱい食べていかないとだね。」
その言葉に思わず笑う。
聞こえてくる鼓動に耳を傾けながら、は小さく目を閉じた。
「うん。」
今度は素直に頷く。
「そうする。」
乙骨の胸元へ頬を寄せる。
慣れない環境での仕事。
気付かないうちに溜まっていた疲れがじわじわと表面へ浮かび上がってくる。
瞼が重い。
先ほどまで眠れそうにないと思っていたのが嘘のようだった。
「さん?」
乙骨が小さく呼ぶ。
返事はない。
代わりに聞こえたのは、穏やかな寝息だった。
「……え。」
思わず瞬きをする。
ほんの数分前まで、
"気持ちが高ぶって寝れそうにない"
と言っていたはずなのに。
そっと顔を覗き込む。
長い睫毛は閉じられたまま。
頬からも肩からもすっかり力が抜けている。
完全に眠っていた。
「寝てる……。」
あまりにも早い寝落ちに、つい口元が緩んでしまう。