【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第20章 沖縄×任務×A班
「もしかして先生の事……」
伏黒は窓の外へ視線を向けた。
そして。
何でもないように答える。
「……さあな。」
誤魔化した。
あまりにも分かりやすく。
リンはじーっと見つめる。
そして。
小さく言った。
「やっぱり。」
「……」
「見てたらわかります。」
伏黒の眉が僅かに動く。
リンは続けた。
「先生の事。」
少しだけ笑う。
「とっても大事そうな目でいつも追ってるから。」
「……たまたまだろ。」
即答だった。
しかし説得力はない。
リンはむっと頬を膨らませる。
「じゃあ。」
「……」
「なんなんですか~。」
その言葉に。
伏黒は少しだけ考えた。
隠す必要もない。
今さらだ。
もう終わった話なのだから。
だから。
ぽつりと答える。
「ただ……」
リンが身を乗り出す。
「ただ?」
伏黒は窓の外を見たまま言った。
「初恋だったんだよ。」
「……」
「ガキの頃の話だけど。」
静かな声だった。
未練を語る声ではない。
思い出を語る声。
鈴はしばらく黙る。
それから。
ぽつり。
「……。」
「なんだよ。」
リンは少しだけ笑った。
「いえ。」
「?」
「伏黒先輩って。」
くすっと笑う。
「意外と可愛いところあるんですね。」
「……はぁ?」
盛大なため息。
伏黒は顔をしかめた。
リンは反対に。
どこか楽しそうだった。
にこにこしている。
そして。
そっと伏黒を見る。
横顔。
窓の外を眺める瞳。
少し不器用な優しさ。
その全部が好きだった。
――実は。
――私も好きな人がいるんです。
心の中で呟く。
――伏黒先輩。
そして。
ほんの少しだけ切なく笑った。
――気付いてますか?
じっと見つめる。
けれど。
伏黒は気付かない。
いや。
気付いていないのか。
気付かないふりをしているのか。
どちらにしても。
こちらを見ることはなかった。
リンは小さく息を吐く。
それでも。
嫌な気分ではなかった。
飛行機は雲の上を進む。
沖縄到着まであと2時間30分。