【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第18章 パーティー×初恋×五条
「……なんで過去形なわけ?」
「……」
「憂太がいるから?」
沈黙。
しばらくして。
は小さく笑った。
「聞こえてたんじゃないですか」
「いや、本当に聞こえなかった」
「そうですか」
グラスの中で氷が揺れる。
かすかな音。
はその音を聞きながら呟いた。
「ずっと好きだったんです」
五条は何も言わない。
「本当に、ずっと」
遠い昔を見るような目。
「でも」
少しだけ笑う。
「五条さんは一度もこちらを向いてくれなかったので」
冗談みたいに言う。
けれど。
その声はどこか寂しかった。
「だから」
「……」
「私、自分で諦めたんです」
会場の灯りが揺れる。
「諦めがつくまで」
「……」
「どんなに傷ついても」
「……」
「“好き”が消えてくれるまでは、好きでいようって」
静かな声だった。
泣いているわけでもない。
恨んでいるわけでもない。
ただ。
過去を振り返っているだけ。
「だから」
は微笑んだ。
優しく。
穏やかに。
「今は大丈夫なんです」
「……」
「どんなに優しくされても」
「……」
「どんな言葉をもらっても」
ゆっくり首を振る。
「私の気持ちは変わりません」
そう言って。
少しだけ照れくさそうに笑った。
「憂太くんが好きですから」
その言葉を聞いて。
五条はしばらく何も言えなかった。
ただグラスの中の氷が。
静かに音を立てていた。
「……なんで言ってくれなかったの」
目を細める五条。
はグラスを見つめる。
琥珀色の液体が揺れる。
少しだけ酔いが回っていた。
頭がふわふわする。
だからだろうか。
普段なら絶対に口にしないことを。
ぽろりと零してしまった。
「じゃあ」
小さく笑う。
「私の初恋……聞いてくれますか?」
五条は少しだけ目を丸くした。
そして。
静かに頷く。
「わかった」
優しい声だった。
「聞かせて」
はゆっくり息を吐いた。
そして。
遠い昔を思い出すように語り始める。
「初めて五条さんに出会ったあの日」