第16章 ★
デッキでは、相変わらず騒がしい声が続いていた。
笑い声と足音が混ざって、船はいつもの空気に戻っている。
その中で、みかの動きだけが少し遅れていた。
視線はどこか遠くを見ているようで、瞬きも少ない。
サンジはその様子に気づいて、皿を置く手を止める。
次の瞬間にはもう動いていた。
「おい」
軽く声をかけながら、目の前に立つ。
視線の中に入り込むように、少しだけ距離を詰める。
「どうした」
みかはサンジを見た。
それから、少し遅れて
「あ、ごめん。ぼーっとしてただけ」
「……そうかよ」
サンジはそれ以上踏み込まない。
「疲れてんじゃねぇのか」
「ううん、大丈夫」
みかはもう普通に笑っている。
その笑顔の奥に、さっきのレストランで起きた名残が、まだ薄く残っていた。
サンジは何も言わず、その場を離れた。
胸の奥に、言葉にならない違和感だけが残る
足が一瞬だけ止まりかけた。
もう一度確認したほうがいいか?
何を…。
近くにチョッパーがいた
「……あいつに、ちょっと変なことがあったら教えてくれ」
「え?みか?」
「大したことじゃねぇ。気のせいならそれでいい」
そういって手をあげた