第16章 ★
昼過ぎ。
風は穏やかで、船は静かに進んでいた。
「みか、どこ行くの?」
ナミが声をかける。
「図書室。ロビンさんに本借りようかなって」
「へぇ」
みかは手を振って船内へ入っていく。
それを見送ったサンジも動いた
いつもの顔で。
当たり前みたいに。
同じ方向へ。
「……サンジくん」
サンジが止まる。
「なんだナミさん」
「どこ行くのよ」
「どこって」
「みかについて行く気だったでしょ」
「行かねぇよ」
「行こうとしてた」
「してねぇ」
「してた」
サンジは黙る。
ナミはため息をついた。
「最近ずっと見てるじゃない」
「見てねぇ」
「見てる」
即答だった。
しばらく沈黙が落ちる
「冬島で何があったのか知らないけど
「……過保護すぎない?」
「…」
「みかは子供じゃないわよ」
サンジは返事をしない。
ナミもそれ以上は言わなかった。
「ま、いいけど」
ナミはそのまま行ってしまう。
サンジだけがその場に残った。
図書室へ続く扉を見る。
「過保護…か」
小さくつぶやいてキッチンへ戻った