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まだここにいる【ワンピース サンジ】

第15章 冬島


レストランを出ると、冷たい空気が一気に頬を刺した。

白い息がゆっくりと広がる。

「船戻るぞー!」

すぐに駆け出す足音

「走んなって!」と慌てた声が追いかける。

小さな足音がその後ろをついていく。

通りにはまだ、さっきの店の余韻が残っていた。


少し離れた場所で声がする。

「さっきはすまんね」

気まずそうな笑いと一緒に、小さな包みが差し出される。

「助かったよ。あの騒ぎも落ち着いたしね」

袋を覗き込む気配が一気に集まる。

「これ、食べ物か?」

袋が開きかける。

「ふがふんがふがふがふが!」

口いっぱいで、何を言っているのか分からない。

「もう食ってんのかよ!!」

「勝手に開けんな!」

笑い混じりの声が重なる。

包みはそのまま受け取られる。

軽いやりとりのまま、場はすぐにほどける。

歩き出すと、風が少し強くなる。

白い息が揺れて、すぐに消える。

足音だけが続く。

港が見えてくる。

船が停まる場所の向こうに、人影が見えた。

サンジがみかの肩に手を回す。

並んだまま、前へ進む。




その少し外れた通りで、慌ただしい声が行き交っていた。

「キャプテンは!?さっきまでこの辺に!?」

「見失ったっす!」

「そっちじゃねぇ、逆だ!」

走る足音が重なって、また散っていく。

誰かの名前が何度も呼ばれているのに、返事はない。

足音が重なるたびに、すぐ横で声が途切れる。

それでも誰も振り返らない。

呼ぶ声だけが、遠くへずれていく。

船の方では笑い声が弾けている。
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