第15章 冬島
みかはしばらく動けなかった。
さっきまでの静かな声が、耳に残っている。
サンジはもう普通の顔でメニューを見ていた。
「寒ぃし、あったけぇもん食うか」
まるで何も言ってないみたいな態度。
みかがじっと見る。
サンジは視線を感じたのか、少し眉を寄せた。
「なんだよ」
「……今の」
サンジが一瞬だけ固まる。
その横で、ルフィが元気よく叫ぶ。
「肉十人前!!」
店員が慌てる。
「そ、そんなに!?」
ウソップが突っ込む。
「だから食いすぎだって!!」
一気に騒がしくなる店内。
その隙に、サンジが小さく息を吐く。
そして少しだけ顔を逸らした。
「……聞こえてたなら、それでいいだろ」
みかの胸が、じわっと熱くなる。
チョッパーが椅子によじ登りながら笑う。
「みか、顔赤いぞ!」
「チョッパー!!」
みかが慌てる。
ウソップがニヤニヤする。
「お〜〜?」
サンジが即座にテーブルを蹴った。
「うるせぇ!!」