第15章 冬島
部屋の中に、ようやく穏やかな空気が戻る。
白衣の男が、何度も目を擦る。
「本当に……起きたんだな……」
後ろにいた女性も涙ぐみながら頷いた。
「ずっと眠ったままだったのに……」
チョッパーが小さく笑う。
「よかったぁ……」
ローはベッド脇のカルテみたいな紙を軽く見る。
古い記録。
何度も書き直された跡。
「かなり長いな」
小さく呟く。
白衣の男が頷いた。
「途中から、誰の声にも反応しなくなって……」
「でも部屋だけは、ずっと綺麗にしてたんだ」
窓際には新しい花。
交換された水。
丁寧に畳まれた毛布。
みかが静かに部屋を見る。
本当に、誰も見捨てていなかった。
ルフィが不思議そうに首を傾げる。
「じゃあなんで、あんな変な町になってたんだ?」
ローが短く答える。
「孤独が能力を暴走させた」
「本人の意思とは別に、島全体へ漏れ続けてたんだろ」
ウソップが青ざめる。
「怖ぇ能力すぎるだろ……!」
サンジは黙ったまま、みかを見る。
少しして。
ぽん、と軽く頭に手を置いた。
「無茶すんな」
低い声。
みかが見上げる。
サンジは目を逸らしたまま煙草をくわえる。
「見てるこっちの身にもなれ」