• テキストサイズ

まだここにいる【サンジ】

第3章 2


屋台の並ぶ通りに入ると、香ばしい匂いがふわっと広がる。

みかは少しだけ目を細める。

「いい匂いです」


サンジは軽く頷く。


「この辺は外れねぇ」


いくつか店を見て、その中の一つで足を止める。

串を一本取って、みかに差し出す。


「ほら」


みかは少し迷ってから受け取る。


「……いただきます」


小さくかじる。

少しだけ間があって、


「……おいしいです」


その一言に、サンジはほんの少しだけ口元を緩める。


「だろ」


それだけ言って、自分も別の串を取る。

しばらく並んで歩く。

会話は多くない。

でも、不思議と気まずくならない。

みかはもう一口食べて、少し考える。

それから、何気なく串を持ち上げる。


「あっ……サンジさんも、食べますか?」


言ってから、自分で少しだけ目を瞬かせる。

距離が、ほんの少しだけ近い。

サンジは一瞬だけ止まる。

それから、軽く息を吐く。



「……お前な」



小さく笑って、少しだけ身をかがめる。

そのまま一口かじる。


「……悪くねぇ」


みかはぱっと表情を明るくする。


「あ、よかったです」


何かがうまくいったみたいに、小さく笑う。

また歩き出す。
/ 18ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp