第3章 2
屋台の並ぶ通りに入ると、香ばしい匂いがふわっと広がる。
みかは少しだけ目を細める。
「いい匂いです」
サンジは軽く頷く。
「この辺は外れねぇ」
いくつか店を見て、その中の一つで足を止める。
串を一本取って、みかに差し出す。
「ほら」
みかは少し迷ってから受け取る。
「……いただきます」
小さくかじる。
少しだけ間があって、
「……おいしいです」
その一言に、サンジはほんの少しだけ口元を緩める。
「だろ」
それだけ言って、自分も別の串を取る。
しばらく並んで歩く。
会話は多くない。
でも、不思議と気まずくならない。
みかはもう一口食べて、少し考える。
それから、何気なく串を持ち上げる。
「あっ……サンジさんも、食べますか?」
言ってから、自分で少しだけ目を瞬かせる。
距離が、ほんの少しだけ近い。
サンジは一瞬だけ止まる。
それから、軽く息を吐く。
「……お前な」
小さく笑って、少しだけ身をかがめる。
そのまま一口かじる。
「……悪くねぇ」
みかはぱっと表情を明るくする。
「あ、よかったです」
何かがうまくいったみたいに、小さく笑う。
また歩き出す。