• テキストサイズ

【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第2章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を欲しがる II**


それでも、快感に流されきれなかった。
熱くなった身体の奥で、先生の言葉が冷たく残っていたから。



『恵はこんなふうに、焦らした?』

『こうだった?』



どうして。
どうして、そんなふうに聞くの。
まるで、伏黒くんにされたことを確かめるみたいに。
私がどこまで許したのか、責めているみたいに。



『案外、誰にでもそういうことさせるんだね』



やっぱりそう思ってるんだ。
私のこと、誰にでも触らせるような子だって。

快感で滲んだはずの視界が、別の涙でぼやけていく。


口を押さえていた手を離して、浴衣の中に入り込んでいる先生の腕を掴んだ。
先生の手がぴたりと止まる。



「……っ、やだ……」



私は喉を震わせながら、必死に言葉を押し出した。



「誰でも……いいわけじゃ、ないです……」



涙がひとつ、枕に落ちる。



「伏黒くんだから、とか……先生だから、とか……そういうの、ちゃんと、あるのに……」

「そんな子みたいに、言わないで……」



こんなこと、先生に言ったってしょうがないのかもしれない。
先生は私のことなんて別に好きじゃない。

でも。
あんなふうに思われたままなのは、どうしても嫌だった。


先生は何も言わなかった。
さっきまで私を弄っていた手も。
腰を抱く腕も止まったまま。

怒らせたのかな。
困らせたのかなと思って怖くなる。


けれど、先生は黙ったまま、深く息を吐いた。
肩口にかかった吐息が熱い。

それから、何かを抑え込むみたいにゆっくりと息を吸う。



「誰でもよかったら、こんなにムカついてない」

「……ぇ?」

「じゃあ、恵は?……僕は?」



答えられないまま固まっていると、先生が私の肩口に額をぐりっと押しつけた。











「どっちが特別なの」








/ 75ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp