第2章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を欲しがる II**
(先生の、唇が……っ?)
そう理解した時には、痛いくらい強く吸いつかれていた。
「……っ、ぁ、」
我慢できずに、口から変な声が漏れてしまう。
しまった。
今の声で絶対に起きてるのがバレた。
どうしよう。
振り向くこともできないでいると、すぐ耳元で。
「なんだ、起きてるじゃん」
先生がおかしくてたまらないというように、機嫌のいい笑い声をこぼした。
顔にかかっていた私の髪を先生の指がそっと梳いて、耳にかける。
その時、指の腹が頬に触れて、また身体が震えてしまった。
「……おき、て、ません……」
私のばか。
こんなの、起きてるって言ってるようなものじゃん。
これ以上どうしていいかわからなくて、ひたすらに目を閉じる。
「そ。じゃあ、寝言だね」
顔は見えないけど、先生がくすくすと笑っているのがわかる。
先生が耳にかけた髪をもう一度ゆっくり撫でた。
その手つきがあまりに優しくて、また胸が締め付けられる。
「……が変わってなくて、安心した」
え……?
それって、どういうこと――。
その言葉の意味を考える前に、私の腰に回されていた先生の腕がするりと上へ滑った。
浴衣の合わせ目に指先がかかって。
そのまま迷いなく内側へ入り込んで、先生の手が胸元へと這い上がってくる。
「あ……せ、ん、せ……っ、だめ……っ」
私は枕を掴んでいた手を離して、浴衣の中に入ってきた先生の腕を掴んだ。
「恵には触らせたんでしょ」
その声は少し拗ねているようにも聞こえた。
さらに強く抱き寄せられて、浴衣の内側で先生の手が私の胸を包み込む。
掴んでいた腕に力を込めようとしたのに、手は震えるばかりでうまく止められない。
先生はそんな私に構うことなく、手のひら全体で下からすくい上げるように持ち上げた。
親指で輪郭をなぞりながら、残りの指が柔らかく沈み込む。