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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第2章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を欲しがる II**


「案外、誰にでもそういうことさせるんだね」

「……ぁっ」



の大きく見開かれた目に、じわっと涙が溜まっていくのが見えた。
瞬きをした拍子に、大粒の雫が頬を伝って落ちる。


それを見た途端、頭に上っていた黒い感情が急速に冷えていくのを感じた。


泣かせたいわけじゃない。
そんな顔をさせたいわけでもない。

ただ、いつものように僕を見てほしかっただけなのに。


はまだ、ポロポロと涙を流していた。


うわ。
こういう時、どうしたらいいんだ。
泣かすのは得意だけど、泣き止ませる方法を僕は知らない。


その泣き顔を見ていたら、ふいにと出会った頃のことを思い出した。



呪いが見えるのは変なのかって、が震える声で聞いてきて。
僕は、なんとなく面白半分で答えたんだ。


「変だよ」って。


たったそれだけで、の目にみるみる涙が溜まって。
今みたいに、声も出せないまま泣き出した。


あの時も、柄にもなく焦ったっけ。
子供が泣くなんて、別に珍しいことじゃない。
なのに、が泣いた時だけは、どうにも落ち着かなかった。


なんで、そんな顔するの。
なんで、僕が悪いことしたみたいな気分になるの。
ただの生徒でしょ。

僕のことが好きで懐いてくる、かわいい子。
それだけのはずなのに。



「……ごめん」



口に出してから、自分で少し驚いた。


僕が。
今、謝った?


は涙で濡れた目を丸くして、僕を見上げている。


……そんな顔しないでよ。
余計に調子狂うから。


僕は、制服の袖での頬を拭った。
頬を濡らしていた涙が、布にじわりと染みていく。
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