第2章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を欲しがる II**
「恵に、ここ……吸われた?」
わざと直接的な言葉で、にその事実を突きつけてやった。
「えっ……?」
の目が大きく開いて。
何かを思い出したように、その顔がパッと赤く染まる。
「あ、ちがっ……これは、その……っ」
僕の指から逃れようと、首をすくめた。
恵に何をされたか思い出して、そんな顔するんだ。
分かってはいたけど……ふーん。
そこに顔を埋められて、吸われちゃったんだ。
だめだよ、。
僕がいない間に、ずいぶん余計なことを覚えちゃったみたいだね。
「……他には?」
「へ……?」
「他」
短くぶっきらぼうに言うと、の視線が泳いだ。
「他にどこ触られたって、聞いてるんだけど?」
そう言うと、の視線が落ちた。
首筋でも、鎖骨でもない。
もっと下へ。
それを追うように、の手が浴衣の胸元を押さえる。
その動きだけで、十分だった。
恵は、そこにも触ったんだ……。
「……気持ちよかった?」
「っ……!?」
の目が大きく揺れる。
「ち、ちが……っ」
「何が違うの?」
、僕のこと好きなくせに。
僕を見るだけで、あんなに顔を赤くしていたくせに。
なに、恵にそんなところまで許してんの。
恵が触れた場所。
恵が残した痕。
見ているだけで、どうしようもなく気分が悪い。
は僕だけを見ていればいいのに。
僕の前では、僕のことだけ考えていればいいのに。
「ってさ……」
気づけば、口が勝手に動いていた。