• テキストサイズ

【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第2章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を欲しがる II**


え、なにこの少女漫画展開。

一晩、一部屋で男女が二人きりで過ごす。
仲が急激に深まっちゃう、いわゆるラッキーイベントってやつ?


これをわざわざ僕に知らせてきたってことは。
ただの事後報告に見せかけた、僕に対する明確な牽制。

……へえ。
恵、こういうことするんだ。


でも、残念。
恵がいくら煽ろうと、無駄だよ。
が僕に向ける、あの熱っぽい視線。
他の男に向けられるわけがない。

僕だけを、ひたむきに追いかけてくる。


そう。昔からずっと――。





『また……会える?』



ずっと昔。
小さな君が、僕の服の袖を掴んで口にした言葉。


また会える?
次はいつ?
連絡してくれる?


そのたびに、答えは決まっていた。


気が向いたら。
またそのうち。


今までずっと、適当な言葉で流してきた。


でも、にだけは……それができなかった。



『会えるよ。は僕とおんなじ、特別で変なやつだからね』



あの時の僕は、どうかしていたんだと思う。
が向ける、一生懸命な視線が可愛かったからかな。
傑がいなくなって、少しおセンチになってたのかも。


数年後――僕のスカウトってことで、を高専に入学させた。
まぁ、結構いい術式持ってたし。
育てれば、良い術師になると思ったからね。


久しぶりに会ったは、僕の記憶より少しだけ大人びていた。

それでも、嘘をつこうとしても全部顔に出るところも。
僕を見上げるその目も。
小さい頃のままだった。


恵に初めて会わせた時もそう。

同い年の男子なんかそっちのけで、僕の顔ばっかり見ちゃってさ。
だから、が僕のことを好きなんだって気づくのに、時間はかからなかった。


からかえば、すぐに顔を真っ赤にする。
ちょっと距離を詰めるだけで、わかりやすく動揺する。
名前を呼んで頭でも撫でてやれば、見えない尻尾がぶんぶん揺れてるんじゃないかってくらい嬉しそうな顔をする。

その反応がいちいち面白くて、つい構いたくなる。


僕に向けられる、何の混じり気もない純粋な好意。
の目は、いつも僕だけを追っている。





――あの日の任務帰りもそうだった。

/ 64ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp