• テキストサイズ

【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第2章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を欲しがる II**


𓂃 side:五条悟 𓂃



『……ねえ。また、会える?』



それは僕にとって、ひどく聞き慣れた質問だった。


都内のホテルの薄暗い部屋。
ベッドの上で裸のまま横たわる女が、シーツを引き寄せながら僕を見上げていた。


また会える?


そう聞かれるたびに、いつも思う。
とっくに答えなんて決まっているのに。

シャツのボタンを留めながら、女の方へ振り返る。



「うーん、気が向いたらかな」



適当に笑って返すと、女は「いつもそればっかり」と文句を言った。
僕はそれ以上言葉をかけることなく、テーブルの上のサングラスに手を伸ばす。
そのまま背を向けて、部屋のドアノブに手をかけた。



「ちょっとぉ、悟。絶対連絡してよ……!」



背中越しに飛んできた甘ったるい声。
僕はそれを無視して部屋を出た。


ホテルの廊下を歩きながら、深く息を吐く。


あー、やだやだ。
任務が早めに終わって、時間が空いた。
なんとなく気が向いたから、暇つぶしに呼んだだけなのに。
どいつもこいつも勝手に期待して、重い感情を向けてくる。


ふと、廊下の窓に目をやった。
外は視界が白くなるほどの雨だった。
窓ガラスを水滴が激しく叩きつけている。


まぁ、僕はあんまり関係ないけど。
どうせ濡れないし。
けど、伊地知に迎えでも来させるか。


そう考えながら、ポケットからスマホを取り出した。
画面を操作して、伊地知に短くメッセージを送る。



『迎えよろしく。場所送る』



すぐに既読がついた。
相変わらず反応が早くて助かる。
位置情報を送って、スマホをポケットに戻そうとした――その時だった。


短い振動がして、画面がまた明るくなる。
恵からのメッセージだった。



『任務帰りに電車が止まり、本日は高専に戻れません』

『近くの旅館で一泊します。部屋が一つしか空いていなかったため、と同室です』



「……は?」



思わず、声が出てしまった。
/ 64ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp