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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第1章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を欲しがる**


好きって言ってくれたことが嬉しかったからこそ。
怖かったことまで、なかったことにしちゃいけないよね。

ちゃんと向き合うって、きっとそういうことだ。



「でも……さっきのは……ちょっと怖かった」



突然押し倒されて、キスされて。
どうしたらいいかわからなくて。
それに、ファーストキスだったんだよ。



「……悪かった」

「うん……」

「本当に、ごめん」



いつもなら、もっとぶっきらぼうに言うのに。
今の伏黒くんは、私よりずっと苦しそうな顔をしている。
どうして、そんな顔をするの。
そんな顔をされたら、責める言葉までどこかへ行ってしまう。



「私、せ、先生のこと……好きだから」

「……わかってる」

「今すぐには、返事できないけど……」

「……」

「でも、伏黒くんのことも……ちゃんと考えるから。少し、待っててくれる?」



それが、今の私に言える精一杯だった。


こんな私は最低なのかな。
先生のことが好きなのに。
それなのに、伏黒くんの真っ直ぐな告白が胸のどこかに残ってしまっている。

ごまかすことも、すぐに断ることもできたけど。
ちゃんと伏黒くんと向き合いたかった。



「……わかった」



伏黒くんはそう言って、私から身体を離そうとした。
けれど、途中で動きが止まる。



「ふしぐろ、くん……?」



彼はまた、私の首筋に顔を埋めてしまった。

あれ。
どうしたんだろう。
急に具合が悪くなったのかな。



「……だったら」



伏黒くんの声が、耳元で低く響く。



「今、考えろよ」

「……え?」

「明日でも、そのうちでもなくて」

「伏黒くん……」

「今、俺のこと考えろ」



考えるとは言ったけど、今……!?


何て返せばいいのかわからず、言葉を探していると。
伏黒くんの手が、私の浴衣の合わせに触れた。
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