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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第1章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を欲しがる**


「……ぇ……?」



思わず、間の抜けた声が出てしまった。

好き? 
伏黒くんが……私を?



「こんなことして、悪いと思ってる」

「お前が、五条先生のこと好きなのも知ってる」



まさか。
知られていたの?
隠していたつもりだった。

ずっと、誰にも言わないようにしていたのに。

いつから。
どこから。

伏黒くんが気づいていたなら。
もしかして、先生にも――。



「今は、それでもいい」

「俺のことも……考えて欲しい」



考えて欲しい。
その言葉が、すぐには飲み込めなかった。


だって、伏黒くんは同級生で。
大切な仲間で。
友達で。
いつも隣にいてくれて。
呆れながらも、困った時はいつも助けてくれて……。


その伏黒くんが、私を好きだと言っている。
私が先生を好きなことまで知っていて。
それでも、考えて欲しいと言っている。



「ぁ、……えっと」



何か言わなきゃ。
そう思うのに、言葉がうまく出てこない。

ありがとう?
ごめんなさい?

ううん、違う。
そんな簡単な言葉で終わらせちゃだめだ。

伏黒くんの告白を、ちゃんと受け止めたい。
でも、どう言えばいいのかわからなくて。
焦れば焦るほど、頭の中がぐちゃぐちゃになっていく。


伏黒くんは、何も言わずに待っていた。
ただ、私の言葉を待っている。


私は、浴衣の袖をきゅっと握りしめた。


うまく言えなくてもいい。
まずは、今いちばん最初に浮かんだ気持ちから伝えよう。



「す、好きって言ってくれたこと……嬉しかった、です」

「……なんで敬語」

「あ……っ」



こんな時に恥ずかしい。
でも、伏黒くんがほんの少しだけ表情を緩めた気がした。

いつもの伏黒くんだ。
よかった。
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